(KK2)流線形のキセキ
呆けた顔をした僕に、湯川君がくすくすと笑いながら説明をしてくれた。
あの開かなかった落下傘は野田のもので、地面に落ちたように見えたが実はちょっとした林になっており、落下傘が木に絡まったおかげで命拾いしたということを。
安心した途端、僕はぐりぐりと野田の頭を拳で撫でた。
「いてっ!いててててっ」
逃げる野田に皆でひとしきり笑うと、漸く僕の心配顔にも笑顔が浮かべられるようになった。
「体調はもう良さそう? 大丈夫なら外に行かないか?」
見はからったかのように掛けてくれた湯川君の言葉に、僕は大きく頷いた。