(KK2)流線形のキセキ


 外に出ると、潮の香りが混じった気持ちいい風が吹いた。


 空はぬけるように青く澄んでいて、ついこの間まであった白い入道雲は鳴りを潜めていた。


 踏みしめる砂に、地に足をつけている感覚が呼び起こされてくる。

 飛んでいた空が思い返されると、野田への言葉が口をついた。


「良かったな、野田」


 前を歩いていた野田はこちらを振り返り、少し恥ずかしそうな素振りをしながらも、嬉しそうに頷いた。



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