(KK2)流線形のキセキ


「鬼ごっこ、するか?」


 唐突な武藤の言葉に、僕はゆっくりと左右に首を振る。


 もしかしたら手を繋いで存在を確かめたいのかもしれない。

 もしくはただ単に走りたいのか。



 でもこんなに美しい空ならば、僕は今この瞬間を目に焼き付けておきたかった。


 いつでも、どこの空からも、彼らとこの空を、しっかりと思い出せるように。


 だから僕は彼らに向かって、微笑んだ。


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