(KK2)流線形のキセキ
「手を繋いで、影を送ろう」
僕らは太陽に背を向けて、これから先を願いながら、そっと手を伸ばす。
繋ぎ返してくれる仲間と、繋ぎ返す僕。
見つめた先は、僕ら四つの影があった。
でこぼこした砂浜にしっかりと映し出された影を見つめて、僕はあの雨の日のように、ゆっくりと十数える。
数え終わると、一斉に空を見上げた。
青い空に、はっきりと白い影を見送る。
砂浜から空へと送られた白い影。
この影を心に映して、未来へと進むために。
僕らは鬼となり、流線形のキセキを描いていこう。
【終】