(KK2)流線形のキセキ


「手を繋いで、影を送ろう」



 僕らは太陽に背を向けて、これから先を願いながら、そっと手を伸ばす。


 繋ぎ返してくれる仲間と、繋ぎ返す僕。


 見つめた先は、僕ら四つの影があった。


 でこぼこした砂浜にしっかりと映し出された影を見つめて、僕はあの雨の日のように、ゆっくりと十数える。


 数え終わると、一斉に空を見上げた。


 青い空に、はっきりと白い影を見送る。

 砂浜から空へと送られた白い影。
この影を心に映して、未来へと進むために。


 僕らは鬼となり、流線形のキセキを描いていこう。








【終】


< 56 / 58 >

この作品をシェア

pagetop