(KK2)流線形のキセキ
昨夜は眠れたか、体調はどうか、というような日常的な会話を二言三言問い掛けられ、その話の内容に多少拍子抜けする。
それでもしゃちほこばって肯定の意を返事した僕に、原田少佐の表情が変わることはなかった。
ただ、目だけは優しいものになり、気を損ねることだけはなかったようだと安堵する。
尤もそれだけでは、僕の肩の力は抜けなかったが。
原田少佐は僕の顔を正面から見据えた。
ぴんと伸びた背筋を携えてなお、僕よりも目線は若干低い位置にある。
拳ひとつ分くらいしか変わらないのに、それでも威圧感をひしひしと感じる中、原田少佐はおもむろに口を開いた。