HARU
何故ここに来たのかを説明するより前に、まず疑問に思ったこと。
「あの…どうして私の名前、知ってるんですか?」
「わかるよ!!秋月沙和っていったら全国のバスケしてる奴らで知らないやつはいないでしょ!」
雑誌を読んでいた一番右端にいた男子が、言った。
茶髪のくるくるした髪。猫っ毛なのか、パーマなのか、少しハーフのようなはっきりとした顔立ちの彼には、とても馴染んでいた。
かっこいいというよりも、間違いなくかわいいという言葉が似合う人だな、と思った。
続けて雑誌を読んでいた彼の隣にいた人が声を上げた。
「やべ〜生で沙和姫見た!!超かわいい!!」
興奮気味に喋っている彼は、黒髪だが、肩に髪がつくくらいの長さ。さっきの彼の隣にいるせいなのか、一際身長の高さが目立つ。190はあるんじゃないだろうか…?
しかし、少し軽そうな見た目だ。
(どうしよう…私なんか圧倒されてる気が…)
…そう思った矢先。