愛してるがいえなくて
「佳乃、また振ったの??」
教室に荷物をとりに行くと
クラスメートの春菜に声をかけられた
どうやら教室から見えていたらしい
「うん、だって好きじゃないもん
…ていうか“好き”ってことが
よくわからないし」
“自分の知らない感情を向けられているのが怖い”
そういおうとしてやめた
「ふーん
なんか佳乃かわいいのにもったいないねー」
興味なさげにそういいながら
春菜は鏡をのぞいていた
「そういう春菜は
また彼氏とデートですか」
いやみでそういったつもりなのに
春菜の頬が赤く染まる
「え!なんでわかるの!」
「超能力」
そういって教室を出た