君の瞳-Hitomi-
第一章
プロローグ
僕は高校一年生。
この春、
この街一番の進学校に入学した。
待ちに待った入学式。
なのに僕は迷子になったんだ。
学校のシンボルの
大きな桜の木の下で座っていた。
すると、
天使のように君が現われたんだ。
透き通った白い肌
ウェーブで
落ち着いた漆黒の長い髪
通った鼻筋
大きくて強い…一重の瞳。
『迷子…?』
綺麗な声がそういえば
僕は恥ずかしがる事もなく
素直に答えた。
「はい…。」
素直な僕に君は笑った。
『着いてきて…
私も今から向かうところ…。』
大きな瞳が僕を捕らえて離さない
君は長い髪をなびかせながら
僕の前を歩くんだ
僕は夢を見ているようだった―…