君の瞳-Hitomi-


君と別れた後、体育館の入り口に立っている警備員さんに話し掛けた。

「あ、あのっ…!」

僕が話し掛けると警備員さんは優しい目を僕に向けた。

「君、新入生代表の子だね?」

「あ、はいっ!」

僕が答えると警備員さんはにこりと笑って近くの警備員さんに話し掛けた。
僕の事知ってるんだ…。
にしても、若い人だなぁ…。
三十歳後半ぐらいかな?


警備員さんはくるっと振り返って僕に手招きをした。
僕が駆け寄ると扉を開けてくれた。


「さぁ、行って…。」

背中を押されて中に入ると中にいた人達がみんなバッとこっちを向いた。

「!」

ビクッと体を硬直させると生徒手帳に載っている校長先生が舞台の上から僕に向かって微笑んだ。


「次は、新入生代表からの挨拶です。
さぁ、どうぞ。」

前へ、と目で足されて僕は人と人の真ん中の道を歩く。
舞台に上がると舞台袖に君がいるのが見えた。


 
 
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