君の瞳-Hitomi-

「嘘だ…」

本当に…迷子になりました。
時間がないから近道を通ったんだ。
なのにどうして迷子になるんだよ僕ぅぅぅぅうう!!!!!!


はぁ、とため息を吐きながら手に付けた時計を見る。

「うわぁ、このまま行くと遅刻決定!」

慌てて辺りを見渡す。

「あ…!」

目についたのは家の屋根から飛び出す満開の桜の木。

「学校のシンボル…!!」

僕はその桜の木を目印に走りだした。

間に合え
間に合え
間に合え…!!

僕は祈りながら走った



最初の大役をめちゃくちゃにしてしまう。

「どうして寝坊なんてしたんだよ僕の馬鹿ぁぁぁああああ!!!!!!」

涙ながらに走る僕。

間に合え
間に合え
間に合ってえぇぇぇえええ!!!!!!


 
 



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