君の瞳-Hitomi-



「ハッ、ハァッ、ハァッ…」

着いた…、学校…!
だけど門は既に閉まっていた。


僕は桜の木に向かって走った。
大きな大きな学校の塀を回る回る回る。


「あったぁあ…!」

桜の木!

僕は申し訳なさから一礼してから塀を攀じ登った。
今日は入学式だから警備は体育館に固められているはず!


なんとか高い塀を攀じ登って、飛び降りた。

「ふう…桜!」

希望を抱き桜の木に近付く。

「……………あ゛。」

忘れてた。
この学校は広い。
桜の木がわかってもここからどうやって体育館に行けば良いかわからない…!!


「迂闊だったぁぁ…!」

桜の木の根元に座り頭を抱える。
あぁ、もうダメ―…

『迷子…?』



僕はまた夢かと思った。
夢で聞いた声が今、僕の頭の上から聞こえているのだから。


正夢………?


 
 


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