理想彼氏
***
「―降参?」
『はっ・・・ハァ・・・』
やっと解放されたときはもう限界で。
どうにかなってしまいそうだった。
―別れろ
それと同時にあの言葉が、頭の中にリピートされて、胸が苦しくなった。
そして、ボロボロと涙が伝う
『・・・っ・・・ふぇっ・・・』
「・・・なんか、あったんだな」
『しょっ・・・翔・・・っ』
フワッと温かい体温を感じる。
翔がアタシを抱きしめてくれたんだ、と認識できたのはすぐだった。
次から次へと溢れてくる涙。
それに抵抗することなく、泣いた。