心に光るもの
結局看板作りは私等四人が担当になった
私としてはこの四人でやる方がなによりうれしかったけど、とりあえずそういった気持ちは押さえて忠義と雄太のバイトのない日に合わせて夏休みは看板作りに励んだ

「すごい、めっちゃええやん」

「やった−−」

あんだけ長かった夏休みも終わりに近づいた頃、ようやく課題が一つ終わった

「すごいなぁ。ここ、ここ俺が描いた」

「そんなん言ったら俺いっぱい描いてるわ」

いざ出来た物を壁に立て掛けて見てみるとそれは思ってたよりだいぶ大きくて
まだ学祭ははじまってもないのにはやとちりな私の涙は目から零れ落ちそうになった

「よっしゃ終わった−−−」

「なんか学祭これからやのにもう終わったような気分やな」

「ほんまになぁ」

忠義はそう言ってよごれたハケを洗い始めた

「あ、私も手伝うで」

それからやった
夏休み看板作りのおかげで忠義とはだいぶ話すようになってた

「もう終わりかぁ−しんどかったなぁ」

「バイトもやってたもんなぁ」

「はやいな、でも。もう夏休みもあと一週間しかないんやで」

「ほんまそれ。課題出来てないしなぁ」

「俺もやで。もうぱっぱとやってまうし」

「まじで」

なんて、二人で洗いながら話してたらすっかりさやと雄太のことを忘れてた
気付いたらさやと雄太は二人は二人でなんか話してたから問題なかったと思うけど
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