桜の木の下で
放課後。
「バイバイ遥香ちゃん」
「バイバーイ」
わたしと結城くんは2人で一緒に体育館に向かった。
すれ違う女子の先輩たちが、目を輝かせながら結城くんを見ている。
その視線に、結城くんは気づくことなくわたしに話しかけてくる。
やっぱり格好いいんだよなあ結城くん…しかも自覚がないみたいだし…
「部長にも挨拶せなな」
「あ、うんそうだね」
結城くんの話全然聞いてなかったよ…
と、そのとき
「優希!」
後ろから聞き慣れた声が聞こえた。
…お兄ちゃんだ