桜の木の下で
焦っていると、
「先輩!」
結城くんが来てくれた。
結城くんは、増岡先輩の手を無理やり引き離した。
そしてわたしを増岡先輩から離し、ぎゅっと抱き締めた。
「おーい!なんだよ亮っ!」
増岡先輩が結城くんの裾を掴んだ。
「高橋を困らせないでください」
そんな増岡先輩を結城くんは軽くはらった。
「ちぇーっ!せっかく優希ちゃん誘えると思ったのに!」
また今度ね、優希ちゃん!
そう言って増岡先輩は練習に戻って行った。