桜の木の下で
「ゆ、結城くん…?」
「…あ、わ、わりい!」
慌てて結城くんが離れた。
びっくりした…!
背低いと思ってた結城くんが、意外と背が高かった。
いや!そうじゃない!
急に抱き締められちゃったよ…!
顔が熱い。ものすごく。
結城くんがわたしを抱き締めた件について、誰も何も言わなかった。
お兄ちゃんなら必ず走ってくるのに!
恐る恐る周りを見回した。
部員全員の口が開いていた。お兄ちゃんも動かない。
悠太先輩は苦笑いだった。
え、あ、あのー…
このパターン一番辛いんですけど…!