桜の木の下で
…何分経ったかな。
先輩はあれからまたわたしをぎゅっと後ろから抱き締めてくれている。
おかげで寒さを感じない。
…というかむしろ暑い。
顔が火照っている。
「遅いなあ……」
お兄ちゃん来てくれるかな…
なんてことを考えていると、
「…眠くなってきた……」
と先輩がボソッと言った。
「え?っわあ!?」
急に先輩が横に倒れた。
「せ、先輩っ!?」
あたふたしていると、後ろから寝息が聞こえてきた。
後ろを見てみると、先輩が幸せそうに寝ていた。
寝るの早いよ…!
すると、わたしにもいきなり睡魔が襲ってきた。
勝手に瞼が落ちてくる。
もうダメ…眠い…
わたしは体をくるっと先輩の方に向け、先輩の胸板に顔をうずめた。