桜の木の下で
…やっと先輩が腕を離してくれた。
ぐわっと起きる。
「ったく心配したんだぞ?」
お兄ちゃんがわしゃわしゃとわたしの頭を撫でた。
「ごめんなさいっ」
まさか鍵閉められると思わなかったからっ…!
「高橋さんから電話あったときびっくりしたんやで?」
俺の家にいるわけないでしょが!と結城くんがお兄ちゃんを小突いた。
「…今何時?」
先輩が眠そうにしながら起き上がった。
目をこすって…可愛いぞっ!
「今9時」
とお兄ちゃんが携帯を見ながら答えた。
「もうそんな時間なんだ…」
何時間器具庫にいたんだろ…