桜の木の下で




あのあと、お兄ちゃんと結城くんが力ずくで先輩を引き離し、



「寝ぼけている中村さんを一人で帰らせるわけにはいきません!」



と結城くんがまだ寝ぼけている先輩を家まで送ってくれることになった。





…家までの帰り道。



わたしはお兄ちゃんの隣を歩いた。



お兄ちゃんはわたしに歩調を合わせてくれている。



「亮くんが送ってくれたって悠太が知ったらどうなるだろな?」



「結城くんに合わす顔ないだろねっ」



そうだなーっ、とお兄ちゃんは笑った。



「先輩ってあんなに寝起きおかしい人だっけ?」



「おかしい人って言い方おかしいだろ!」



「んじゃあなんて言えばいいのさー」



…とにかく、帰り道は爆笑でした。



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