桜の木の下で
▼ 第六章
6月中旬の放課後。
テスト期間で今は部活が休み。
本当なら遥香ちゃんと帰りたいのに……
最近、悩んでいることがあります。
「優希ちゃん、今日も来てるよ」
クラスの女子が困った顔をしてわたしに話しかけてきた。
はあ…今日も来たか……
「…ほんまに?」
「なんで関西弁?」
教えてくれてありがとう、とその子にお礼を言って、ドアから顔を出した。
「あ、優希ちゃーん」
そこには案の定先輩が立っていた。
…しかしわたしの大好きな悠太先輩ではなく……