桜の木の下で
お兄ちゃんと同じクラスなのか。
そりゃここにいるわけだしね。
なんてことを考えていると、早川先輩が少しわたしに近付いてきた。
「…でさ、さっきも言ったけど、俺優希ちゃんに一目惚れしたんだよね」
「そ、そうですか…」
厄介なことになってしまった。
早く悠太先輩起こして練習に行かなきゃお兄ちゃんに怒られるのに…
「優希ちゃん、彼氏いないっしょ?」
「…だったら何ですか?」
「俺と付き合ってよ!」
「……え?」
何言ってんのこの先輩は。
なんて思ったのも束の間。
わたしは早川先輩の腕の中にいた。