桜の木の下で
「優希を離せ」
悠太先輩は今までに聞いたことのないくらい低い声でそう言うと、早川先輩の肩を掴み、ぐわっとわたしから引き離した。
「っ!!?」
そしてわたしは悠太先輩に腕を引かれ、すっぽりと先輩の腕の中に収まった。
てか先輩今、ゆ、優希って…っ!!
「中村くん肩痛いんだけど…」
早川先輩は苦笑しながら肩を押さえた。
「うちの部のマネージャーに手を出したのが悪い」
上から悠太先輩の不機嫌な声がした。
「いいじゃん一目惚れしたんだから」
「お前が一目惚れしたって騒いでたとき、彼女にだけは手を出すなって言ったろ?」
「そうだったっけ?」
「お前なあ…」
な、なんか恥ずかしい会話が聞こえる…