桜の木の下で
「早川お前いい加減にしろよ」
悠太先輩は目の前まで来て、早川先輩を睨んだ。
「好きなんだから、一緒にいたいじゃん」
早川先輩は腕の力を強めた。
「それは一方的だろ?優希ちゃんは嫌がってる」
「…え、そうなの!?俺のこと嫌いなの!?」
何、今更気付いたんですか。
悠太先輩を見ると、溜め息を吐いて呆れていた。
「優希ちゃんを離せ」
悠太先輩がそう言うと、早川先輩はすんなりとわたしを離した。
そしてわたしは悠太先輩に腕を引かれ、また悠太先輩の腕の中に収まった。