桜の木の下で
「…………」
窓側の一番後ろのわたしの席に赤髪の人が座っていた。
その人はぼーっと外を眺めていた。
「…早川せんぱーい」
その人……早川先輩に溜め息を吐きながら声をかけると、
「っあ、優希ちゃん!おはよう!」
先輩は笑顔でこっちを向き、座りながら手を振ってきた。
「先輩、あのー迷惑なので自分の教室へ戻ってくれませんか?」
てか戻ってください。
わたしは先輩の腕を引っ張り、教室から出した。
「俺!諦めないから!」
急に先輩が大声を出した。
「せ、先輩急にな「優希ちゃんに振り向いてもらえるように、俺頑張るから!」
「……あの「じゃあ!」
先輩はよくわからない宣言をして帰っていった。
……とてつもなく恥ずかしかった。