桜の木の下で




さらに次の日。



教室に行くと、昨日の女子とは対照的に純粋な女子たちがわたしのクラスの前にうじゃうじゃいた。



「今度は何ですか…」



ごめんなさーい、と女子たちを掻き分けて教室に入ると、



「優希ちゃんだ!
「今度は格好いい人がいるよ!」
「メガネ男子格好いいーっ!」
「男でもありゃ惚れるぜ!」



と昨日とは全く違う反応をしているクラスのみんな。



見てみると、またわたしの席にすわる黒髪の男子。



後ろ姿からして格好良かった。



え、あんなに格好いい知り合いいたかな?



「すみませーん」



と声をかけると、



その人はこっちを向いた。



「っ!」



程よくセットされた黒髪。そしてわたしの大好きな黒縁メガネ。



そしてモデル顔負けの整った顔。



しかし、その顔にわたしは見覚えがあった。



< 204 / 250 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop