桜の木の下で




帰り道。



雨が降ってきたので、傘を差しながら歩いていた。



「…で、先輩とどないしたん?」



「…………」



「…高橋」



返事のしないわたしに、結城くんはわたしの顔をのぞき込んできた。



「………っ」




………結城くんには、かなわないや…



わたしはさっきの出来事を結城くんに話した。



先輩が告白されていたこと。



そして先輩には好きな人がいること。



…さっき部室で先輩にひどいことを言ったこと。



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