桜の木の下で




「……俺、初恋が小1のときなんだ」



「…初恋、ですか?」



急にどうしたんだろう。



できれば、あまり聞きたくないんだけど……



それでも、先輩は気にせず続けた。



「一つ下の子でさ、桜の木の下で初めて出会ったんだ。…その子、初めて俺に出来た友だちの妹だった。」



「………え?」



「それからずっと三人で小学校卒業するまで一緒に遊んでた」



「……………」



「でも、その子が中学生になるってときに、その子の家族が引っ越ししちゃってさ」



「友だちは学校に慣れてきたころに可哀想だからって転校しなかったけどその子は別の中学に入学したんだ。」



「…そう、だったん…ですか……」



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