桜の木の下で
木の真下に立ち、上を見上げると、
「わあっ………」
風に乗ってひらひらと舞い散る桜の花びら。
ものすごく、きれい。
「一緒に来たかったんだ、優希ちゃんと」
「へへっ…ありがとうございました」
見上げながらお礼を言うと、先輩はわたしの肩を掴み、正面を向かせた。
先輩を見ると、とても優しそうな表情をしていた。
「優希ちゃん、」
「……は、い」
先輩は深く深呼吸をし、急に真面目な表情になった。
「……これからもずっと、そばにいてね」
「せんぱ、い……」
こんな、わたしでも先輩のそばにずっといていいんだ。
わたしは泣きそうになるも、涙を堪え
「はいっ!」
と微笑み返事をした。
「ありがとう」
そして先輩は、優しくわたしを抱き締めた。
これからもずっと、先輩と一緒にこの桜を眺めていたいな…
桜の木の下で end .