桜の木の下で
「部活ばっかしてたからさ、興味もなかったし」
「そ、そうだったんですか…」
ほっとしたような…なんとも言えないこの感情。
「というか、なんでそんなこと聞くの?」
「…え?」
「いや、なんでかなあーって思って」
…え、何て言おう。
あなたが好きだから、なんて言えるわけがない。
ど、どうしよう…!
慌てていると、
「あ、雨だ」
先輩がぼそっと呟いた。
「え?」
ほ、ホントだ…!
傘持ってきてないよーっ!
「走るよ!」
「え、うわあっ!!」
先輩が私の手を握り、走り出した。