桜の木の下で
玉ねぎを切っていると、
ぎゅっ
「っ先輩…!?」
後ろから先輩が抱きついてきた。
危なく包丁落とすところだった…
先輩の息が耳元にかかって、もう料理どころではない。
「せんぱ…い、座っててくださ、い」
「憧れなんだよね。お嫁さんが料理してるとき後ろから抱きつくの」
「ひゃあっ」
耳元にいつもより低い声で囁いてきた。
顔が真っ赤になる。
包丁をぎゅっと握り締め、玉ねぎを切り出した。
…先輩はわたしに抱きついたまま。
先輩ってこんなに甘えん坊だったんだ…!!