桜の木の下で
▼ 第五章
6月になった。
だんだんと学校生活に慣れてきたころ。
朝練を終えて教室に行くと、
「3組に転校生がくる」
という噂が広まっていた。
こんな時期に?
「おはよう」
少し遅れて遥香ちゃんが来た。
「あ、おはよう!」
「…何、この騒ぎ」
騒がしいことが嫌いな遥香ちゃんは怪訝そうな顔をした。
「転校生くるんだって」
「…こんな時期に?」
「それわたしも思った」
だんだん学校に慣れてきたころだろうに…転校なんて可哀想だなあ…