【完結】ヒミツの恋愛<先生×生徒>
私は"はあ……"とため息をつき、教科書を開いた。




「よし、じゃあここを10分で解けーっ」


私はまた教科書に視線を戻し、言われた問題を解き始めた。




……でも陸のことでいっぱいいっぱいで、問題を解く気力もなかった。


すぐに教科書から顔を上げて、窓の方を向いた。




「……ん?」


そんな私を、真由子が心配そうに見ているのがわかった。




私は真由子の方を向くと、フワリと笑った。


真由子は安心したように笑うと、また黒板に視線を戻した。




「真由子……ごめんね」


心配掛けて、本当にごめん。




あんな顔されたら、どんな顔したらいいのかわからないよ……。
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