【完結】ヒミツの恋愛<先生×生徒>
「ごめん……陸」


私、やっぱり陸のことを忘れなきゃダメみたい。




だって陸のことを想っていても、もう意味がないんだもん。


……陸はもうここには居ないから。




「……ヒックッ」


私はその後、ただずっと声を押し殺して泣いていた。




「……行ってきます」


私は翌日、いつもどおりに家を出た。




「行ってらっしゃーい。気をつけてねー」


と、お母さんの陽気な声が聞こえてくる。




「……はあ」


私は結局、お母さんになにも言えなかった。




陸のお母さんが家にきたことも、伊吹に真実を話したことも。


……全部。
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