俺の気持ち、君に届け。【ホワイトデー企画】


「何?」


ドアに差し掛かった時、振り返った。


「お前さぁ、デートするなら何処がいい?」


「いきなり何?」


「いいから。」


「そうだなぁ…。
今なら、二駅先に出来た『スケートリンク・リンリン』がいいなぁ。
冬限定だから。
女子って『限定』って言葉に弱いよ?」

冬限定?


スケート?


怖がる未知留の手を掴んで『ったく、ドンくせぇなぁ。』
とか言いながら、腕引っ張って、一緒に滑る……。


何か、チャンスじゃね?


そして、転びそうになる未知留を抱きしめる…と。


完璧じゃねぇか。


「サンキュー……?」


完璧なシチュエーションを描いて、妹に礼を言ったけど、もう既にいなかった。

てか、たまには役に立つもんだ。


妹も。


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