俺の気持ち、君に届け。【ホワイトデー企画】
「あ、来たよ?電車。」
「おう。」
電車が俺らの前で止まる。
扉が開くと、これまた凄い人の山。
隣を見ると、そこにいる筈の未知留がいない。
「あれ?未知留?」
辺りを見渡すと、少し離れた場所に未知留がいて、人の群れに押されていた。
「淳司。」
流れに逆らって、未知留が俺の隣に来た。
「びっくりしたぁ。さすが日曜日にホワイトデーだね。
凄い人。」
初めて俺に見せた未知留の笑顔。
「逸れるといけないから、手、繋いでいい?」
「あ、うん。」
細い未知留の手を繋いだ。