花かがり 【短編集】
いつ会えるかも分からない彼女のコトを、僕は待ち続けた。



気付けば、季節は春から秋に変わり、春の陽気は無く木枯らしが淋しく吹き始めていた。


同じ公園で、同じ場所で、朝から夜まで僕はただ黙って彼女が現れるのを、ただ待っていたのだった。


風の強い日も、雨の降る日も、夏、今年一番の気温を更新した日も、僕はそこにいた。



彼女に、会うために…




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