花かがり 【短編集】

◇ ブプレウルム ―ブプレウルム―

  【ブプレウルム】



「ユナ、なんかコース違くねぇーか?」

「やっぱり…」

「チッ!ここ、どこだよっ」
シュウが、足下に転がっていた石を蹴った。

シュウの蹴った石は、カサっといって暗闇に消える。


「どぉーしよう…」
ユナは泣きそうな顔で、シュウを見る。


「どーしようって…」
懐中電灯の灯りだけじゃ、シュウがどんな顔をしているのかは分からなかった。

しかし、シュウの困っている声で状況は最悪なのだと思った、ユナ。


「チクショッ…。学校の肝だめしで迷うか、フツー」
シュウが舌打ちする。



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