花かがり 【短編集】
「はい、時間だ。気を付けろよ!」
先生が、早く行けと合図をする。


素直にスタートする生徒もいれば、中々出発しない生徒もいる。


そんなコトは、お構い無しで先生は次々に合図を出していく。


「はい、次!」
そして、シュウとユナの番だ。


前のカップルが、素直に出発していた為、懐中電灯を照らしても前方には誰も見えなかった。



「あっ、シュウ。ま、待って…」
どんどん先に歩くシュウに、ユナは不安定な足下で必死に着いていく。


意外に無口なシュウは、ユナに一言も話すコトなく前に進む。


そんなシュウを見て、ユナは不安で仕方なかった。


この微妙な空気に…





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