花かがり 【短編集】
「だって、何?」

「だって…私…。ずっとシュウに嫌われてると…」
そう言って、ユナは泣き出した。


「ったく…。めんどくせーヤツ…」

「ゴメン…」

「んなコト…あるわけねぇ~よ…」
シュウがうつむく。


「ホントに…?」
涙を拭きながら、ユナが聞き返す。


「あ…」

「良かった…」

「あ…」
シュウがユナを抱き締めた。


「あっ…シュゥ…?」
シュウはそのまま、ユナにキスをした。

ユナにとっての初めてのキス。


シュウが、ユナのファーストキスの相手となった瞬間、雲に隠れていた月が顔を出す。


ずっとシュウに嫌われていると思っていたユナは、突然のコトで驚いた。


「シュウ…」
シュウは、更にユナを強く抱き締めた。





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