花かがり 【短編集】
あの日から一週間経った、ある日のこと。


ふと、スーツのポケットから一枚の名刺が出てきた。


ユウナ


とだけ書かれた、名刺。


― そうか…。ユウナという名前だったのか ―

勿論、本当の名前では無いことぐらい、僕にも分かる。


でも、あの帰り際のキスはなんだったのだろうか…


サービス?

それとも!?


ユウナ…。

いつの間にか声に出して、ユウナと呼んでいた、僕。


その名を口にしたとたん、僕は急に恥ずかしくなった。




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