花かがり 【短編集】
「でっ、どーなんだ?」
怒り目から、今度は興味津々な目で僕を見る、先輩。


「べ、別に…ぼ、僕は…き、興味なんて…な、ないんで…」

「ぅえっ!興味ないって、もしかして…あっち?」
先輩が手の平を裏返し、頬に手をやる。


「あっちって、どっち?ですか…」
僕は、店内を見回した。


「バカかっ!お前はっ!」
と怒鳴り声と同時に、頭を叩かれた。


バチィ~ンッ!
と綺麗な音が、店内に響く。


その音で、またシーンとなった、店内。


そしてまた、皆が僕を見る。



― 見ないで…。早く、帰りたいよぉ… ―


僕は真っ赤になって、うつむいた。





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