花かがり 【短編集】
楽しみましょう…

そう彼女に言われたのに、僕は楽しめることが出来なかった。


― あれは、失態ともいうべきか… ―


そんなことを考えると、欲望より羞恥心が僕を戒めるのだった。

楽しめない…
集中も出来ない…
僕は、どうしたらいいの…


それからというもの、僕のモノは立つことなく、イクことさえなかった。

恥ずかしさで、彼女の顔もまともに見られなくなっていた、僕。


「また、来てね。会いたいから」
彼女は、こんな僕をバカにする素振りもなく、笑顔で会いたい。て言ってくれたのだ。

こんな僕に…

会いたい、と…




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