花かがり 【短編集】
僕は次の日も、店に行った。


昨日の店長が、また愛想笑いをしながら「今日も、お休みですねぇ~」と僕に告げる。


「い、いつ…ユウナさんは、しゅ、出勤ですか?」

「え~っと、ちょっと待って下さいねぇ…」
店長は、女の子達の出勤表らしきモノを見つめ
「そ~ですねぇ。今月の出勤は、決まってないですねぇ。自由出勤になってますね」

「自由出勤?」

「はい。何か、お家の関係でしばらくは決めれないとか言って、出れる日に出勤すると…」

「じゃ、じゃ、いつ出勤か…わ、分からない…んですか…」

「はい。申し訳ありません…」
愛想笑いをしながら、僕に頭を下げた、店長。


落ち込む僕に、店長はまた違う娘を勧めてきた。


僕はユウナ以外、考えられなかった。
だから、今日もイイです。と、丁重に断った。
つもりだった…


僕の姿が見えなくなったとたん、店長の声が聞こえた。

「アイツ、頭おかしくねぇ?」
誰かに僕の事を言ってから、ハハハッと笑い声が聞こえた。



― もう店には、行くのを止めよう。電話して、ユウナが出勤していたら行けばいいんだ ―

そう思ったら、少し心が軽くなった。


ユウナ…

僕の、ユウナ…

早く、会いたい…



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