花かがり 【短編集】
「はい。***店で~す」

この声は、店長だ。


「あっ、あの…き、今日…ユ、ユウナさんは?」


受話器の話口部分を押さえ、チッと舌打ちする音が微かに聞こえた。

「あ~、ちょっと待ってねぇ。……… あ~、今日もお休みみたいですねぇ~」
愛想良く電話で話す、店長。

しかしそれは、表の部分だ。

この電話を切れば、また「アイツ、キモくねぇ」と言われるのか…


「分かりました…す、すいません…」

しぶしぶ、電話を切った。




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