花かがり 【短編集】
僕は次の日も、次の日もそのまた次の日も店に電話を掛けた。


やっぱり、今日もユウナは休みだった。



ユウナ…

僕の、ユウナ…

会いたい…


― あ…、そうだ。昨日、ユウナが僕の夢に出てきてくれたんだ…。
ユウナ、泣いてた。
いつ来てくれるの?って、僕に抱き付いてきた。
そして、私との約束を果たしてほしい、とも…

だから僕は、ユウナに言った。

僕が、必ず約束を果たしてユウナに会いに行くと…
だから、泣かないで…
もう少し待ってて、と… ―


そこで、僕は目が覚めた。

僕は、泣いてた。

目が覚めてからも、しばらく泣いた。


― 約束を果たすまで、僕はユウナに会えないということなのか… ―

僕は、更に涙を流した。



ユウナ…



僕の、ユウナ…





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