半端

記憶

幸が覚えている幼少期の記憶…
『近所のおばちゃん家族とキャンプに行った事』
『従兄弟達と花火大会に行った事』
『暮れに餅つきをした事』
『盆踊りに行った事』
どれも当たり前の様に両親はいなかった。
幸の家は年中無休の商売を営んでいた。
朝は6時から夜は12時まで両親と祖母で今でいうコンビニみたいなお店を切り盛りしていた。
金銭敵にはバブル絶頂期でどちらかと言うと上の方だったと思う。ありとあらゆる習い事は行かされた
ピアノ
「流行っていたから」
書道
「友達がやってたから」
水泳
「入会するとかわいいカバンがもらえた」
ソロバン
「そこの犬がかわいかったから」
剣道
「マンガの影響」
公文
「ご褒美目当て」
家庭教師
「親に無理矢理」
とまぁ…大した理由もなく中途半端手を出しお陰様ですべて中途半端に終わった。
しかも何ひとつ身について無く記憶すら無い。
あるとすれば友達とどうやってバレずにサボるかを日々熱心に考えていた。
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