臆病なあたし





───卒業式



いつにしよう
とずっと考えていたら
卒業式になってしまった




そして今、目の前には
ずっとずっと話したかった人




「……将吾」




さっき、勇気を振り絞り


『話が…あるの』



と言ってみると



『…俺も』



って答えてくれた



答えてくれただけで
胸が温かくなって
泣きそうだったよ?






「…将吾、あたしね、どんなに無視されても避けられてもずっと将吾が好きだったの。」



不安で、緊張で
声が足が手が震える



「……うん」


それにしっかり
相づちをうってくれる将吾は

やっぱり優しいね…




「あたしの気持ちは2年生の時から変わってない、だから…」



だから、将吾



「また、前みたいに笑いかけてほしい…付き合ってほしい…の、」



あたしが今
思ってることは全部言えた




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