君に恋して…
「あの~」

うわ~。話しかけちゃった…。話しかけちゃったよーー。

すると、彼女はキョトンとした顔をしながら。
首をかしげ、

「何か?」

と言った。

私は…

「あの~これ…」

と言って、例のケイタイを彼女に差し出した。
うわぁー、どうしよう。 違ったら、どーしよー。 差し出す前に気づけば良かった…。いや、気づくべきだった…。
でも、予想を反して
彼女は、嬉しそうな顔をした後…。

「あーありがとう!嬉しい!拾ってくれてたんだ!」

よかったぁーーー!
ホッとした私は、
龍達の元に戻った。
だって、任務完了したんだもん。(笑)
そして、戻ってきて早々、龍の口から出てきた言葉が…。普通なら、良かったな。とか言ってくれるんだろうけど…

「なんで、戻ってきたんだよ」

「えっ」

私は、一瞬目の前が真っ白になった。
おっと、

「ってか、渡したらフツー戻ってくるっしょ!」

そしたら、不機嫌そうに
顔を歪めながらこう言ってきた。

「はぁ?なんで、お前なにも貰ってこねーの?」

私は、一瞬耳を疑った。

「はい?今なんて?」

「だーかーらー、なんでなんも貰ってこないわけ?フツー、ケータイ拾ったら一割とか二割とか貰ってくんじゃねーの?フツーはさー?」

…てか、なんでそんな偉そうなんすか?

「じゃ、私はフツーじゃないと言いたいわけ?」
ちょっと怒り口調の私にたいして、昴は笑顔で人差し指を立てながら、こう言ってきた。

「なんか、さっき言ってたんだけど…。龍いわく、メリットが欲しいんだってさ!。」

なんて、爽やかな笑顔をなんだこいつは…てか何て言う話しをしてるんだよ、コイツらは…。
呆れ顔のわたし…

およそ、私が来る
2分前のこと。

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