そして俺らは走り出す
暫く歩いたところで、どこからか大きな声が聞こえてきた。



「桜音――っ!


桜音――っ!? 何処にいるのー!!?」






「――あっ」


と、その声に導かれるように後ろから声が漏れ。

一瞬で服をつかまれていた感覚が無くなる。





「桜音っ!

あんた何処行ってたの!?」


「ごめんっ」



どうやら、一緒に来ていた友達のようだ。


良かった、と思うと同時に俺はこのときそいつの名前を知った。



オト――。

漢字は分からないけど、その名前だけは覚えていた。




「紘っ学校帰るぞ」

安心した気持ちでオトを見送ってると、後ろから健の声がして。

振り向くと、荷物やらなんやらを全部持ったメンバーがいた。






「――おうっ」



こうして



俺とオトの出会いは


幕を閉じた。



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