そして俺らは走り出す
俺は一瞬にして動きが止まる。



だが、動きが止まるのが一瞬なら
動きが止まってるのも一瞬で。


すぐに気を取り直し、その場でドリブルを始める。



桜音は腰を落とし、俺の目を真っ直ぐ見つめてくる。

対し、俺も見つめ返す。



ギャラリーの応援も何も聞こえない。



ダム ダム ダム









──静かなコートに
俺がボールをつく音だけが響き渡る。









と、その時だった。




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